「ある一日のおはなし。」

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*朝、僕は目覚ましの音で目覚める。

「おはよう」
『クマ』のヌイグルミの安藤さんが朝のあいさつに声をかける。

「おはよう安藤さん」
あいさつに返事をすると安藤さんは表情のないタオル地の顔で笑う。
僕も笑顔を返し部屋を出る。

部屋を出ると朝食の良い香りがした。
ホットケーキのにおいだ。
居間に入り、
壁に立掛けられている肖像画の母に朝のあいさつをする。
「おはよう母さん。ご飯おいしそうだね」
肖像画の母さんはゆっくり微笑んでいる。
蒼い髪と目がとてもきれいな母さんだ。

テーブルを見ると、
ホットケーキかと思ったらホットケーキのようなモノで何だかよくわからなかった。
きっとホットケーキ?みたいな。
食べ物にうとい僕にはよくわからない。
とりあえず椅子に座って食べようカナ。

椅子に座ると勝手にテレビがつく。

僕は『学校』に通っているから天気予報が見たいので「今日の天気はどうですか?」と尋ねる。

画面には『兎』の『アナウンサー』が映し出され、今日の天気を解説している。

「さて今日の××××の天気は晴天、否しかしパラつくように『飴』が降るでしょう
 『鞄』の用意は忘れずにしっかり上に開けてでかけましょう。 」

飴かあ。今日はリュックにしなきゃ。あ、あとそうだ。
「《穴》の方はどうですか?」
《穴》と言うのは、
むずかしいことはよくわからないんだけど、
とても不安定な空間に歪みが出来て、「落とし穴」のようなモノが出来て、ソレに落ちてしまうと
違う「世界」に言ってしまうらしい。
まあ。落ちても還ってきてるヒトだって何人か居るんだけど、
還ってこれないヒトも居ないワケではないし、最近落ちるヒトが多いらしいので聞いてみなくては

「《穴》の方はどうですか?」
「今日は乱れている場所はないので大丈夫ですよ」
兎のアナウンサーはヒゲをヒクヒクさせながら器用に口先をつりあげ微笑む。
そして深々と頭をさげると、テレビはまた勝手に消える。
そろそろ時間だ。
学校へ行かなきゃ、

*

外に出ると、少しだけ飴が降っていた。
僕はリュックの閉める紐をゆるめて飴が入るようにして、たまに口でキャッチしながら進んでいく。
「ん。メロン味だ。」

右 …左… 飴を食べる。
「イチゴだ」
ふと左に入ったところで、泣いている声がした。
赤い塊がうずくまって泣いている。
『赤いポスト』さんだ。
「どうしましょう。どうしましょう…っ。」
何やら困っている様子。
時間に余裕があるし、僕は何となく声をかけてみた。
「どうしたんですか?」
聞くと、大事な『手紙』を盗られてしまったらしい。
「どうしてまた?」
「もうワタシは必要ない。アナログなんて古い!って言われて、取り上げられてしまったんですー!」
泣きじゃくって鼻のあたまが赤くなっている。
鼻まで赤いよポストさん。
「メールばかりにはなってしまいましたが、せっかくのお手紙、ポストとして、届けなければ行けないのに・・・っ!!」
そしてまたシクシク泣いてしまった
じゃあ取り返せばよいのに?
「だってあんな大きい方々無理ですっっ」
大きい??

「あ!何告げ口してるんだ!!」
突然、`上`の方から声がする
大きいヒト・・・?・・・じゃない。
「まるで僕らが悪者じゃないですか」
「善意でやろうとしてるのに!」
声は上。ものうすごく上から聞こえた。
そこに立っていたのは
電信柱。

「電柱・・・しかも三つ・・・」
どうやら電柱の三兄弟らしい。
「お願いです!それを待っている大切な方々にお送りしなきゃ、私の仕事が…っ」
「だから、俺らが届けてやるって言ってるのに。なあ?」
「そうそう。僕らの方が早いじゃないですか」
「電子メールだしな!」
電柱が電子メールって・・・
「で。でも!それは、わ、私のお仕事で・・・!」
今にもまた泣きそうな赤いポストさん。
とりあえず手紙を返してもらおう。
「電柱くんたちー」
「はいはい何ですか?」
ヒトには頭低いな。雇い主だからか?そういう上司って居るよねー
「とりあえず、その手紙返してあげてください」
「え。。でもワタシ達の方が早いし、《ヒト》様も喜んでいただけるかと・・・」
「ええと。手書きで送りたいヒトの気持ちもあるんだし、何つかもう、あんまり言うんだったらご近所さんにいいつけますよ!?」
勢いで《ご近所さん》だなんんて言ってしまった。。
せめて業者とか言えば良かったな。恥ずかしい。
「そ・・・それだけはーーー〜〜〜〜〜・・・・・!!!!」

え・・?

そういって電柱三兄弟重そうな鈍い音を立てて逃げていった。
「町壊すなよーーーーー」
地面が凄いヒビだ。
結局あの三兄弟は怒られると思うんだけどな。
よくわからない凄味で逃げていくし・・・
「あ。あの・・・」
?あ、赤いポストさんか。
「ありがとうございました!おかげで助かりました!!!」
今度は嬉しくて泣いている
涙もろいポストだ。
「いいよいいよ。早く届けておいで」
「はい!それでは、本当ありがとうざいましたーー!」
そういって走っていった。


何だかんだで、時間が過ぎたなあ。
ちょっと急がなきゃ遅刻じゃないか。

ふとー、進んだ足に地面を踏む感覚がなかった。

・・・?
下を見ると同時に僕は真っ暗な世界にオちていた。

コレは《穴》 だ。

「あの兎うそつきだ・・・。」

僕は暗い底に落ちていった。
無事還れるだろうか?

 

*
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*
*end*

*お友達とアフレコにハマっていて(ぶは
 そのときのアフレコするためだけに書いたお話しが結構気に入っていて今でも覚えていたので〜

絵本みたいな、子供が読むような話しで書いたのかな。
ちょっと文章を子供っぽくしたので(文章力が無いとも言う。